大場 つぐみさんはガモウ ひろしさん?
以下も参照して下さい。
文藝春秋「週刊文春」2006 年 7 月 27 日号より。
「原作者の大場 つぐみさんの正体が、わからないんですよねえ」(少年誌編集者)
『デスノート』はストーリー部分を”新人”大場 つぐみ氏が、作画を小畑 健氏がそれぞれ分担して描かれている。
小畑氏は大ヒット作『ヒカルの碁』の作者として知られるが、大場氏は本作が実質的な”デビュー作”。
その経歴は謎に包まれているが、デスノートによって犯罪者を殺して理想社会の実現を目指す主人公・夜神 月と、それを阻止する謎の名探偵 "L" との対決を軸に複雑な物語を展開させる手際は、まさに”新人離れ”している。
「正直、人の生死を扱う題材ですから、逡巡はありましたが、これまでの『ジャンプ』にはなかった知的バトルという形式に共感しました」(週刊「少年ジャンプ」副編集長・佐々木 尚氏)
(中略)
そこまでの熱狂を生む大場 つぐみの正体をめぐり、これまで気鋭のミステリー作家・乙一説、宮部 みゆき説などが囁かれてきた。
「今、もっとも有力とされているのは、九〇年代に『少年ジャンプ』で活躍した漫画家、ガモウ ひろし説です」(前出・編集者)
その根拠として、主人公が通う予備校の名前が「蒲生ゼミナール」であることなどが指摘されたが、この説が決定的に広まったのは、「第四回日本オタク大賞」の席上、評論家の岡田 斗司夫氏が「大場 つぐみはガモウ ひろしなんだよ」と”爆弾発言”して以降だとか。
「当時、僕が連載していた雑誌の編集者から聞きました。複数の経路から裏を取ったようです」(岡田氏)
ガモウ氏は、代表作『とっても!ラッキーマン』で知られるギャグ漫画家だが、ここ最近は、新しい作品の発表もなく、「あまり噂も聞かなかった」(前出・編集者)。
それにしてもギャグマンガと『デスノート』では、だいぶ毛色が違うように感じるが……。
漫画原作者でもあるライターの鶴岡 法斎氏は指摘する。
「確かにガモウさんの絵柄は、『デスノート』のイメージにはそぐわないですが、『ラッキーマン』の物語自体は、実は綿密に練られたプロットと卓越したストーリーテリングの妙に特徴があり、その手つきは『デスノート』にも共通します。ついでに言えば『ラッキーマン』の作中には、絶対的な正義観を振りかざして理想社会をつくろうとする”世直しマン”なる敵が出てくるのですが、その発想は『デスノート』における夜神 月にそっくりです。さらに小畑さんは『ガモウ門下』にあたります」
やはり「大場 つぐみ = ガモウ ひろし」なのか。
「どうでしょう。それについては何とも申し上げられません」(前出・佐々木氏)。
真相は、死神のみが知っている?
上記記事に「小畑さんは『ガモウ門下』にあたります」とありますが、「漫画家人名事典」や「ジャンプ SQ スクエア」2007 年 12 月号によると、次原 隆二さんやにわの まことさんのアシスタントだったそうです。
また、Wikipedia によると以下の通りであり、門下にあるのか分かりません。
- にわの まことさんの師匠
- えんど コイチさん
- 次原 隆二さん
- ガモウ ひろしさんのアシスタント
- 稲垣 理一郎さん
- 鈴木 信也さん
太田出版「QUICK JAPAN クイック・ジャパン」vol.56 の徹底特集『デスノート』では、担当編集者の吉田 幸司さんが以下のように語っています。
実は、大場さんと小畑さんが最初に会ったのは、今年の一月なんです。
読切は去年の八月発売の号に載りましたから、五月くらいからその準備をし始めて……なので、お二人が初めて顔をあわせたのは一緒に仕事をし始めてから半年以上先ですね(笑)。
というのは、原作者とマンガ家の間の打ち合わせは、すべて担当編集経由でやっていたんです。
大場さんと小畑さんは直接話をすることがなかったのは、そのためです。
これは本人の性格にもよると思うんですけど、原作者とマンガ家が直に話をするよりも、分かれて作業するほうがお互いやりやすい場合もあると思うんですよ。
お二人とも謙虚な方なので、会って面と向かうと話せないことも、僕に対しては言えますから、僕を通して相手に無茶なことも言えますし。
例えば、「来週はテニスを描いてほしい」とかですね(笑)。
「大場 つぐみ = ガモウ ひろし」かつ「小畑さんは『ガモウ門下』にあたります」であれば、「来週はテニスを描いてほしい」に限らず「無茶なことも言え」るのではないでしょうか。
第 13 巻の「大場 つぐみ先生×小畑 健先生特別対談」には、以下のようにあります。
——お二人がお会いするのは久し振りという事ですが…。お二人で会っての打ち合わせはあまりされたりしないんですか?
大場 「全くしません。お互い打ち合わせは担当さんとだけです。なので、小畑先生とは最初の読切の時ですら会っていませんよね」
小畑 「2003 年夏の読切掲載の後、12 月に連載が始まって、翌年 1 月に編集部の新年会があって…。そこで初めてお会いしましたよね」
吉田さんも大場さんも小畑さんも、「2004 年 1 月に初めて会った」と言っていますが、「生まれて初めて」なのか「『デスノート』の企画が持ち上がってからは初めて」なのか分かりません。
「大場 つぐみ = ガモウ ひろし」かつ「小畑さんは『ガモウ門下』にあたります」であれば、「生まれて初めて」はあり得ませんが、「『デスノート』の企画が持ち上がってからは初めて」は考えられます。
もし、小畑さんがガモウさんの 1 人か 2 人挟んだ門下であれば、「生まれて初めて」も「『デスノート』の企画が持ち上がってからは初めて」も可能性があります。
現在、「大場 つぐみ = ガモウ ひろし」説が最有力ですが、「とっても!ラッキーマン」と「デスノート」はどうにも結び付かないので、私は以下のように感じています。
- 読切版「デスノート」の原作者は、ガモウ ひろしさん
- 連載版「デスノート」の原作者は、ガモウ ひろしさん + α
- 連載開始に当たりブレインが付いて、ガモウさんがネームをまとめた
- 小畑さんは、ガモウ門下ではない
2008 年 5 月 15 日に発売された「でたぁーっ わんつーぱんつくん」(ガモウ ひろし)には、大場 つぐみさんが「こんな対象年齢のわからない本はみたことがない(失笑)」とコメントを寄せています。
文藝春秋「週刊文春」2009 年 2 月 5 日号の「漫画の時間」(いしかわ じゅん)より。
少年ジャンプで『BAKUMAN。』が連載されている。
『バクマン。』と読む。
原作が大場 つぐみ、作画が小畑 健のふたり。
そう、大ヒットした『DEATH NOTE』のコンビなのだ。
(中略)
原作者の大場 つぐみは、『とっても!ラッキーマン』の作者ガモウ ひろしの別名といわれている。
ガモウは、ジャンプ一絵が下手といわれた漫画家で、一発屋に近い。
主人公サイコーの叔父は実は漫画家で、ヒーローギャグの一発屋で失意のまま死んだという設定だ。
これは、大場自身が投影されているだろう。
サイコーとシュージンには当然、大場と小畑を重ねている。
その上、現実の少年ジャンプ編集部と現実の漫画界が舞台で、単行本には大場のネームと、それを小畑が構成し直したものがオマケに収録されている。
よく見れば、エピソードには大場の体験らしきものも織り込まれている。
「BAKUMAN。バクマン。」(作:大場 つぐみ/画:小畑 健)第 1 巻の表紙には、2 冊の「とっても!ラッキーマン」の単行本が描かれています(机の上と「週刊少年ジャンプ」の上)。
余談ですが、BAKUMAN を横書きにして下半分を隠すと、RAKIIMAN に見えます。
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- 大場 つぐみさんと小畑 健さんの巻末コメント
- 大場 つぐみさん
- マンガ「デスノート」
(作:大場 つぐみ/画:小畑 健) - 小説「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルス BB 連続殺人事件」(西尾 維新)
- 小説「L change the WorLd」(M)
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- 実写映画「デスノート the Last name」complete set
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- 「デスノート DEAD OR ALIVE」
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- 「L change the WorLd」通常版
- 「L WorLd of change the WorLd」
- 英語版「DEATH NOTE」
(Story:Tsugumi Ohba/Art:Takeshi Obata)